高松市の中でもかなりのどかな東植田町。
ここに香川では数少ないWeb開発企業の三好製作所さんがある。
今回はその本陣でありシェアオフィスでもある「J.A.M FACTORY」を訪ねました。
田んぼの中に突如現れるモダンな社屋
見よ!のどかな田園風景の中に突如出現するモードでナイスな建屋を。
ここは元々農協だったらしく、使われなくなっていたものを三好製作所さんが買取り、リノベーションしたのだそうです。
中に入ると、イベントにも使えるステージや、コワーキングスペース、物撮りに使える撮影スタジオ、会議室など無数のスペースを兼ね備えた、とてもかっこいいオフィスとなっていました。
こんな面白い施設を作る人は、きっと面白い人に違いない!
ということで、代表の三好幸司さんに「J.A.M FACTORY」ができるまでの経緯を伺ってまいります。
シェアオフィス「J.A.M FACTORY」ができるまで
ー まずはじめに、三好さんの経歴について教えて下さい。
三好さん:「大学で電気電子を学んで、愛媛の松下寿電子工業に就職しました。電気回路系の部署に配属されたのですが、途中でExcelのマクロに興味を持ち、触っているうちに段々とソフトウエアに興味が湧いてきました。
30歳くらいのときに、一本松の事業所にいたのですが、その事業所が閉鎖することになり、早期退職か、別の事業所に移るかを迫られることがありました。
当時ソフトウエア関連で独立は検討していたのですが、なんせ急な転機であり、さらにインターネット系の仕事がしたかったのですが、その経験がなかったため、一旦Web系のベンチャーに転職しました。
そこでJavaとPHPを使って4年ほどWebシステムの開発を学んだ後、2009年に今の会社を創業し、13年になります。最初の仕事はうどん屋のたも屋さんが発注してくれました。
その時の昔話はこちら。
香川って意外と進んでいるよねを目指して
ー 案件はどのように獲得していますか?
三好さん:「案件は紹介でいただくことが多いですね。特定の業種について強いわけではなく、オールラウンドに対応できます。これからは強みのある分野も作っていきたいと考えています。最初は建設業界を狙っていて、利益管理のパッケージシステムなどを検討しています。
MIELUKAというパッケージがあり、現在はMIELUKA2を開発しています。言語はPHPで、インフラはクラウドサーバーを使っています。」
ー エンジニアはどのように採用していますか?
三好さん:「社員は5人全員がエンジニアで、専門学校の卒業生や前職の知り合い、ハローワークなどで採用しています。
経験者でなくても、1年くらい教育すると一人で仕事を回せるようになってくれます。それくらいの教育コストが辛抱できるなら、経験者の方を採用する必要はありません。
私は彼ら彼女らが、自分のやりたいことを実現できる会社にしてあげたいと思っています。指示された作業をこなすのではなく、自ら考えて主体的に行動できる人になってほしいと願っています。」
ー コロナで何か会社に変化はありましたか?
三好さん:「リモートも試したけれど、教えなくても自ら考えて動けるメンバーだったので、業務上困ることはありませんでした。リモートでも仕事が回ることは分かったけど、ちょっとしたコミュニケーションが取りにくいことも分かった。そういうちょっとした会話を大切にしていきたいので、今後はリモートを積極的には使いません。オプションとして持っておく程度で考えています。」
ー 地元のIT系の人にメッセージをお願いします。
三好さん:「ビジョンとしては香川をITの先進県にしたいと思っています。AIなどの先進分野にもチャレンジしていきたいです。(JAMのAはAI/IoTから取っている)
他県から「香川って意外と進んでいるよね」と思われたいですね。
分野を絞っていけば可能性はあると思います。
J.A.M FACTPRYもできて、小学校のPTA会長にもなって、自治会にも入って、地域へのコミットが高まりました。貢献したい気持ちが強くなってきたんですよね。」
社員インタビュー
続いて、オフィスにいらっしゃった3名のエンジニアの方にインタビューしていきます。
| 良いコードとお客様が本当に欲しかったシステムを追求
まずは入社2年目の宮地さんにお話を伺います。
ー 三好製作所に来る前は何をされていたのですか?
宮地さん:「レンタル・リース会社に4年勤務しており、3年間店舗接客をした後、事務職を経験しました。」
ー 入社のきっかけは何でしたか?
宮地さん:「興味があったIT関係の仕事へ転職したいと思い前職を退職し、ポリテクセンター(https://www3.jeed.go.jp/kagawa/poly/)でPC関係を広く学びながら、SUNABACO高松(https://sunabaco.com/takamatsu/)でプログラミングを学びました。三好製作所にはポリテクセンターの求人紹介で出会いました。」
ー エンジニアとしての成長を感じるのはどんなときですか?
宮地さん:「自分が過去に書いたコードを見て恥ずかしいなと感じたときに、成長を感じます。なんでこんな書き方しちゃったんだろって。
元々はホームページ作成をするつもりでいたので、会社見学の際に、主な仕事がシステム開発の三好製作所の話を聞いて最初、戸惑いました。ですが、三好社長からシステム開発の楽しさを教えて頂きシステム開発に興味が沸き三好製作へ就職をしようと思いました。最初の頃は何を聞いてよいのかわからず、専門用語が飛び交う状況について行けませんでした。
専門用語はネットで調べて理解できるようになりましたが、良いコードの書き方は検索しても分かりません。直接周りのメンバーに質問できる環境があったことで助けられました。一人でやっていたら挫折していたと思います。
ー 仕事をしていて楽しいと思うときはどんなときですか?
宮地さん:「自分が思ったとおりにコードが通ったときや、以前出来なかったことが、さっとできるようになったときは楽しいです。」
ー これからどんなエンジニアになりたいですか?
宮地さん:「お客様の要望を受け止めるだけではなく、本当にやりたいことを汲み取ってあげられるエンジニアになりたい。お客様と会話をして、本当にしたいことを見つけることってすごく難しいと感じます。「顧客が本当に必要だったこと」という有名なブランコの絵がありますが、まさにそれです。ついついお客様の言葉を鵜呑みにしてしまっています。」
ー 会社の良いところはどこですか?
宮地さん:「風通しのいいところですね。いつも同じフロアにメンバーがいるので、相談したり雑談したりしやすいです。」
| 市場からWeb開発へ。少しずつ、できることが増えてきた。
次に入社1年目の藤澤さんにお話を伺います。
ー 三好製作所に来る前は何をされていたのですか?
藤澤さん:「前職は市場で朝の1時とかに出勤していました(笑)
システムエンジニアになりたいという夢をあきらめられず、転職を決意しました。
ハローワークの紹介で三好製作所を知りました。
大学では情報系はほんの少し学んでいましたが、詳しいことは知らない状態でした。
入社から1年が経ちましたが、早かったなぁと感じています。
まだまだ実力不足ですね。
PHPは大学では教わっていなかったので、基本的な文法から…覚えることがたくさんありました。
最近はPayPayやクレカの組み込みをすることが多いです。
他には大学のテスト作成のシステム開発やECサイトの作成等を担当しています。」
ー これからどんなエンジニアになりたいですか?
藤澤さん:「データベースの勉強を少しずつしていて、先輩と同じくらい知識をつけていきたいです。またAWSについても学んでいきたいと考えています。」
ー 会社の良いところはどこですか?
藤澤さん:「何でもすぐ聞けるところですね。ちょっと調べてわからないことも、周りの人に気軽に質問できて、聞いたら解決できることが多いです。」
| コーディング規約、IT対応、経験豊富なベテランが次に目指すものは!?
最後にベテランの谷口さんにお話を伺います。
谷口さん:「新卒で入社して、7、8年が経ちました。出身も香川です。
学校は穴吹コンピュータカレッジで3年間学びました。1年生の頃は基本的な概論、プログラミングの知識を学び、2年生以降はC言語やJavaで演習がありました。高校も情報系なので、プログラミングを学び始めてからだと10年以上が経ちました。
入社しても、PHPは学校で習ってはいませんが、スムーズにキャッチアップできました。
ただ、既存のコードに修正を加える経験は初めてで、コーディングのルールなどに慣れるのが最初は難しかったです。変わった書き方もあって、三項演算子のなかに三項演算子が入っていたときとか、わけが分からなかったです(笑)
大変なことも多くて、お金が関わってくる開発は大変でした。電子決済とかネットショッピングとか。思いも寄らないお客様の使い方もあったり(笑)
IE対応などもあり、苦労がたくさんありました。今年IEのサポートが終了するのが嬉しいです(笑)
今でこそブラウザや環境に影響されずに動くことが多いのですが、Androidの出始めの頃などは環境ごとの対応が必要だったりして、大変でした。」
ー 次はどんな技術を学んでみたいですか?
谷口さん:「AIの講座に参加したことがあって、そのときにPythonを触ったので、そこを伸ばしていきたいですね。今はPythonも使われることが多くなったので、できるようになっておいて損はないかなと考えています。
個人的には開始・終了を明示してくれる { } や ; はあったほうが好きです!(笑)」
ー 後輩のサポートは大変ですか?
谷口さん:「基本的に二人とも自分で調べてやってくれるのであまり手はかからないです。
ただ仕事の振り分けをきちんとしないといけないので、ドキュメントをちゃんと作ったりするのがけっこう大変です。資料作り苦手なので(汗)」
ー どんな会社にしていきたいですか?
谷口さん:「会社をある程度大きくしていきたいですね。しかし、見える範囲のチームであってほしいので10人くらいのイメージです。」
自主的で向上心の高いエンジニアの方が揃っていて素晴らしい会社でした。
これからのさらなる活躍に、嫌でも期待が膨らみます。
また三好製作所さんでは一緒に働くエンジニアの方も募集していたので、是非興味のある方は門を叩いてみてください。
きっと成長につながる良い出会いになると思います。