あつまれ未来のエンジニア!「IT業界を目指す方と県内企業との交流会」レポート

こちらは2023年9月2日に情報交流通信館(e-とぴあ・かがわ) BBスクエアで行われた香川県主催、(株)Sanukite運営の「IT業界を目指す方と県内企業との交流会」のイベントレポートです。

目次

どんなイベント?

香川県といえば? ーうどん。
だけではありません!のんびりした香川県にもIT関連企業やデジタルスキルを生かしてIT業界を目指す方、たくさんおられます。ですが、これまで両者なかなか出会いの機会がなかったのも事実です。
そこで今回、企業が求める人物像やスキルなどを、学ぶ!知る!ふれあえる!そんなイベント「IT業界を目指す方と県内企業との交流会」が初めて開催されました。

会場となったのは高松駅前の高松シンボルタワーにある情報通信交流館e-とぴあかがわ。こちらの施設、香川県がDX推進のために開設した子どもから大人まですべての方が情報通信技術(ICT)を体験したり学ぶことができる参加体験型施設です。こちらの5F、BBスクエアにて熱気むんむんのイベントが開催されました。

<香川県 情報通信交流館e-とぴあ・かがわ>
情報化時代の香川のIT普及と交流拠点を目指す参加体験型施設。最先端のICT技術を使った機器の体験や、基礎知識から専門生の高い技術習得のためのさまざまな講座があります。みなさんもぜひ足を運んでみてください!
https://www.e-topia-kagawa.jp

イベントのラインナップはこちら!

 第一部(学ぶ)ミニセミナー「DXキャリアラボ」
 第二部(知る)参加企業による事業内容の説明
 第三部(ふれあう)参加企業との交流会

うどんのようにコシのあるキャリアを踏みだそう!香川県らしいキャッチコピーにも思わず笑みがこぼれます。はじめに、主催の香川県就職・移住支援センター(ワークサポートかがわ)の方より今回のイベントの趣旨をご説明頂き、いよいよスタートです。

早速、のぞいてみましょう。

第一部 ミニセミナー「DXキャリアラボ」

トップバッターは、今回のイベント運営者でもある(株)Sanukite 代表取締役 水尾峻輔さん。我らが「うどんの国のTech通信」編集長です。
香川県で生まれ育ち東京でキャリアを積んだあと、Uターンして現在は香川県で活躍しているエンジニア12年生の水尾さん。豊富な経験を活かしIT業界を目指す方々へ自分のキャリアの考え方として、3つのお話がありました。

1.「企業ではなく業界へ就職することを意識してほしい」

日本で就職といえば定年まで一社に勤め上げるイメージがまだまだ根強くありますが、IT業界は人材の流動性がかなり高い!業界全体での年間の離職率は約2割。反対に労働者側から見ると、約5年に1度のペースでキャリアチェンジしていることになるんですね。
そのキャリアチェンジにもいくつかのパターンがあるそうです。
・会社員から別の会社員への転職
・会社員から独立してフリーランス
・フリーランスから会社員への出戻り
転職が当たり前など、ひとつの企業で数十年働くことも多い他の職種に比べ、IT業界の人材の流動性は非常に高いため「会社ではなく、業界に就職する」という感覚を持つ必要があります、そうお話されていました。

2.「IT業界をさらに細分化した業界のご紹介」

みなさん、IT業界の市場規模ってご存知ですか?
国内だけでも17兆円規模、電力やスーパー、不動産と肩を並べる巨大産業だそうです。そんな業界地図は、もちろん複雑。大きく分けるとソフトウェア、ハードウェア、通信インフラの3つ。その内のソフトウェア業界でもさらに求人の観点では5つに分類でき、業務系、組み込み系、Web系開発、Web製作、事業会社のIT部門、と多岐にわたります。

それぞれの業界内は必要スキルや文化も似ているため、同じ業界内では仕事を移動しやすい。ですがその反面、その業界の外に出ると必要なスキルや文化も異なってくるためキャリアチェンジも難しい傾向がある。最初に入る業界に依存してしまう傾向があるので、自分のキャリアの方向性を初めにきちんと決めておくのがとっても大切ですよ、とお話されていました。

3.「業界の垣根は低くなってきています」

あれ?業界をまたぐのは難しかったのでは・・?
実は、10年くらい前までは非常に高かった垣根も最近はだいぶ低くなってきているんですよ、と水尾さん。
と、いうのも、昔は使用する技術も業界により大きく分かれていましたが近頃では同じ技術を使うことも増えてきたそうです。Web系開発もWeb制作も、どちらもモダンなJavaScriptのフレームワークを扱いますし、業務系もWeb系開発もどちらもWebシステム(React、PHP、Python、AWS)を扱います。時代の流れとともに少しずつ垣根も低くなってきているそうです。
このように少しずつ業界間での橋渡しが行われるようになってきていますが、今はまだ引き続き各業界に依存している傾向があるそうです。10年20年後はさらに変わっているかもしれませんね!

経験豊富な先輩エンジニアの貴重なアドバイスに、うなずいたり真剣にメモを取ったりする参加者の皆さん。今回の参加者が後輩エンジニアへアドバイスする日も遠くはないのかな、がんばれ皆さん!と感じたセミナーでした。

第ニ部 参加企業による事業内容の説明

さて、お次の第二部は参加企業による事業内容の説明会です。各社持ち時間は3分!一挙ご紹介します。

1. 株式会社アイムービック (Web系開発、Web制作)
2002年に起業しはや20数年、愛媛県松山市に本社をおく四国四県に展開している珍しいWebシステム屋です、と自己紹介。ベトナムやネパールにグループ会社もあるそうで、Webデザインからシステム開発まで3〜20人月でワンストップで行っているそう。フリーランスからの出戻り組もいたりで離職率6%程度だそうです。司会の水尾さんからも、AWSをしっかりやっている会社ですよ、と追加情報もありました。

2. 株式会社 Web Blending (Web制作)
WebやECサイト制作やシステム開発、動画制作などを行っている高松市の会社。PHPを用いたシステム開発が多いのと、少し古いけどjQueryを使う案件かなり多いんですよ、とお話されていました。会社としてのミッションは「伴走型Webコンサルティング」。Webサイト制作をすることが本当に正解なのか?SNSを使った方法の方が良いのではないか?など、貴重な予算をとってくれているお客さまととことん話しあい、試しながら一緒に成果を上げていく、そんな支援を行っているそうです。

3. 株式会社コヤマ・システム (業務系、組み込み系)
花王やトヨタなど大手企業へも納品実績のあるソフトウェア開発の高松市の会社。営業理念にも「作りやすいソフトよりも使いやすいソフト作りを目指します」とあるように、どうすればお客さまの要望に応えることができるか、できませんと言うのは簡単だけどここまでなら何とかできるなどを皆で考え、それにより社員の人間性成長も同時にうながす、そんな社風だそう。使う言語はC#やC++、現在は組み込み系を中心としたソフトウェア制作や業務系に力を入れているそうですよ。

4. 株式会社タダノ (事業会社のIT部門)
グローバルに建設用クレーンや車両積載型クレーンなど製造、開発、販売する世界最大級のメーカーです。説明会にこられたICT部の方は、国内はじめ海外の関連会社全ての社内システムの開発保守を行っている部署だそう。主にはスクラッチで200弱のシステムを開発したり、VB.NET等を使ったウェブアプリ開発や、パッケージシステムでSAPを利用しているため、そのセーフティングや運用も行っているとのこと。全ての関連会社含めると5,000人弱の全社員の中、ICT部は現在25名。是非ご協力いただける仲間を増やしたい!と熱く語っておられました。

5. 株式会社フクシン (事業会社のIT部門)
東かがわ市の靴下手袋OEM会社さん。なぜ今回のセミナーに靴下屋さんが呼ばれたの?と思っていたそうですが、生産から物流、販売までSPA(製造小売業)で携わっておりその全てにシステムやITが関わっています。製造事業の中では品質や在庫管理システム、サプライチェーン管理システムなど、卸売事業では在庫、調達、顧客管理システムなど、12店舗も運営しているネット事業ではソーシャルメディア管理やSEO管理システムなど様々。システム作りはものづくりにつながる、自分が作ったもので商品を動かしていくことができる、そんな経験ができる会社です。

6. 株式会社ヘルツ (Web制作)
香川と東京の2拠点のこちらの会社、なんと今回のイベントが開催された2023年9月2日で25周年を迎えられたそう。会場、拍手です!地方で「Web専門で起業する」と言ったら本気で心配された時代から25年、Web制作ひとすじで歩んでまいりましたとにっこり。提供サービスも、サイト制作戦略、立案から全体デザインパーツデザイン、コーディング、Webシステム開発、マーケティング支援、広告運用など、もう、、Web全般です!とお話しされていました。

7.株式会社三好製作所 (Web系開発)
高松市の公渕森林公園近くにオフィスを構える、Webシステムの設計開発、ポータルサイトやホームページ制作を行う会社。中小企業の色々な困りごとに対応しているそうです。Web系開発の会社が製作所という名前をつけたのは、自社で作るということを忘れないために、だそう。7名の少数精鋭のこの会社、なんと全員がSEの作り手さん!システムに関してはどこにも負けません。J.A.M FACTORYというコワーキングスペースも運営しています。

8. 株式会社ユニーク (業務系、組み込み系)
創業33年の、高松市香川産業頭脳化センター内の産業用ソフトウェアの受託開発会社です。従業員19名中、17名がエンジニア、そのうち中途採用の方が13名!大半の方が入社するまでは本格的にはプログラムも組んだことがなかったとか。先輩社員のサポートも受けながら、C言語、C#の勉強からスタートするそうです。プログラミングが好き、自分で考えるのが好き、人と接するのが好き、そんな方、大歓迎だそうですよ!

9. 東京コンピューターサービス株式会社 (業務系)
東京の名のとおり本社は東京、社員数2,900名の幅広い分野で情報通信(IT・ICT)事業を展開している会社。今回は高松支店の方が説明会に参加くださいました。こちらの会社の特徴は、40拠点の各支店ごとに原則転勤なし、地元の社員が地場産業を支える地元密着型だそう。支店ごとに貢献している産業も違うため、全社連携しながらお仕事をしているそうです。高松支店は社員55名、エンジニア80名計130名で香川県の産業を支えてくれています。

10.ウェブシステムテクノロジー株式会社 (業務系、Web系開発)
マイクロソフトのゴールドパートナーとして培ってきたノウハウと実績でWebコンサルからシステム開発、保守から研修まで行う高松市の会社です。残念ながら今回は急遽欠席となってしまいましたが、司会の水尾さんからご紹介がありました。

各社3分ずつという短い時間でしたが、参加者のみなさんに強い印象を残したようでした!

第三部 参加企業との交流会

そしていよいよ、先ほど会社説明のあった企業との交流会です。企業のテーブルに分かれ、30分の交流会を3周行います。
参加者は、業務系、Web開発系など各企業の分野が記された資料も参考にしながら、第一部で学んだIT業界セミナー、第二部での会社説明会もふまえ、お目当ての企業のテーブルへ!

ちょっと、様子をのぞいてみましょう。

参加者Aさん
「いま大学生で、学校では時流に合わせて言語を教えてくれていますが、正直社会にでてそれが通用するか不安だったんで聞いてみたかったんです」
参加者Bさん
「わかる!これ5年後使えるのかな?フロントエンドとか特に、こんなのもう使わないよ、とかなりそうで不安なんです」

企業
「そうだね、せっかく覚えた言語も古くなることもあるよね。でも言語も大切だけど、一番大切なのはお客さまが何を求めているか?お客さま課題を捉える力を持っておくことかな。企業課題を引き出す。コミュニケーション能力を高める。これからAIも進化してゼロから作れるものがどんどん減ってくると思うけど、そういうのって人間ならではだからね。自信を持って頑張って!」

参加者Cさん
「未経験者歓迎と先ほどの会社説明会でお聞きしたのですが、今勉強している最中で本当に未経験なんです。大丈夫なんでしょうか・・。」

企業
「大丈夫!僕も未経験30歳で入社してまだ4年目、入ってから基本情報の資格取ったりして勉強したよ。当社は教育制度がかなりしっかりしていて、悩んだら先輩にすぐ聞けるし、解答を模索できるよう導いてくれたりね」

参加者Dさん
「そうなんですね、雰囲気良いんですね、ちょっと安心しました」

企業
「そうそう。でもそんな教育の仕組みも元からあったわけじゃなくて、未経験者のみなさんが困ったことをベースにして月1で会議して教育方針を話し合っているんです。それから、3年後にこうなってほしい姿を最初に提示しています。目標が明確になるし、それに向かって頑張れるしね!」

参加者Eさん
「Webコンサルとかって、やっぱりおしゃべり上手じゃないとだめですよねえ・・」

企業
「大丈夫、大丈夫!僕も最初は頭真っ白で震えたよ。でも自分の立ち位置をどこへ持っていくか、で変わったかな。お客さまが何を望んでいるのか、どうしたいのか。お客さまの会社の立場に立って考えるようにしていたら、不思議と話もできるようになってきたよ」

学生の方は緊張しながらも興味津々!参加者の方も企業の方も、時には真剣に悩み相談、時には笑い話も交えながら1時間半はあっという間に過ぎていきました。

大盛況のうちに今回のイベントもすべて終了。
司会より、本日はありがとうございました!の挨拶で解散・・はずでしたが、皆さん名残惜しいようで終わっても企業の方と話し込んでいました。

参加者のみなさん、大満足のうちに交流会終了!

そんな参加者の皆さんに場外インタビューをしてみました。今回のイベント、いかがでしたか?

参加者Fさん
「会社の雰囲気もわかったし、将来の自分の姿がイメージしやすくなってとっても良かったです」

参加者Gさん
「すごく面白かった!社会人になっていると就職面接以外で入社前に企業の方とお話できる機会はないですからね。普段話す機会のない異業種の方ともお話できましたし」

参加者Hさん
「今日は本当に実りありました。いまフリーランスで正社員の求職中ではないけど、地元企業と話できる機会って本当にないですからね。交流会ってタイトルも参加しやすかったです。ガチガチに年齢制限あったり就職説明会みたいな感じで就職前提だと、私じゃないなって思っちゃう。30分って時間も会社説明受けて質問して雑談して、ちょうど良かったです。参加者も多くて学生から社会人まで皆ワイワイしてて人数もちょうどで話しやすかったかな。次は県内企業で知名度はあまりないかもしれないけど実績がある会社と出会ってみたいです。ぜひまた参加させてください!」

今回の『IT業界を目指す方と県内企業との交流会』。参加者側、企業側ともに大変実りのある、大変貴重なイベントとなりました。

香川県のIT業界、これから更にうどんの出汁のように熱々になることを願っています!

主催<ワークサポートかがわ (香川県就職・移住支援センター)>
ワークサポートかがわは、香川県が運営する”ハローワーク”です。ワークサポートかがわでは、正社員の求人サイト「ワクサポかがわ」を通して、また、就職面接会やイベントなどを開催して、求職者や学生と県内企業の出会いを応援します。
https://www.wskagawa.jp/

運営<株式会社Sanukite>
Sanukiteではものづくり(システム開発)と人材(エンジニア仲介)のサービスをご用意し、お客様が事業を成長させるためのDX推進を強力に支援いたします。
https://sanukite.co.jp/

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